くらしと政治① わたしたちのくらしと行政
scene 01 安心してくらしていける町づくり
ここは、中村獅童(なかむら・しどう)歴史研究所。所長の中村獅童さんが、ゴミの分別をしています。ところで、このゴミはだれが回収してくれるか知っていますか。小さい子どもからお年寄りまで、わたしたちが安心してくらしていける町づくりは、だれがやっているのでしょうか。みんなが幸せに生活していくために必要な、政治や社会のさまざまなことがらについて学んでいきましょう。『歴史にドキリ・特別編 くらしと政治』。まずは、わたしたちの身近な「政治」から見ていきます。
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scene 02 役所の仕事「行政」
わたしたちが安心してくらせる町づくりを行っているのは、市や町などにある役所です。その役所の仕事を「行政」といいます。神奈川県厚木(あつぎ)市役所でも、市民のために多くの仕事を行っています。市民課は、引っこしてきた人や新しく生まれた子どもの登録などが仕事です。ゴミの処理は環境(かんきょう)事業課の担当。火災や救急に備える消防署は、24時間体制で厚木市民の安全を守ります。危機管理課は地震(じしん)などの大きな災害に備えています。厚木市では、2011年に起きた東日本大震災を受け、防災対策をより強化しました。
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scene 03 ドキリ★どんなときも安心して過ごせるように
たとえば、災害時に市民を安全な場所に誘導(ゆうどう)したり、毛布や食料の配布場所を伝えたりする防災行政無線。厚木市役所では2012年に、無線が聞こえづらい地区を洗い出し、新たに10基設置しました。ガス、水道、電気が止まってしまったときの食料の確保についても見直し、25,000人分の食料や毛布を保管しています。さらに、家に帰る交通手段がなくなってしまった人たちが一時的に避難(ひなん)できる場所を新たに設置しました。役所が行う仕事、「行政」。わたしたちがどんなときも安心して過ごせるように、役所はさまざまな対策をすすめています。
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scene 04 行政が使うお金はどこから?
行政が使うお金はいったいどこから出ているのでしょうか。ヒントは、買い物をしたときのレシート。そこには「消費税」の文字があります。そう、行政にかかる費用は、「税金」でまかなわれています。みんながお金を出し合って、安心してくらせる町づくりをしているのです。では、どのように税金が使われているのか、見てみましょう。
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scene 05 市民が納める税金で
行政の仕事を行うための費用は、市民が納める税金などでまかなわれています。税金は、いろいろな形で納められます。働いて受け取る給料からは、住民税を直接市区町村に納めます。また、買い物をしたときにかかる消費税は、いったん国に納め、その一部を国が市区町村に分配します。市民が納める税金や国からの補助など、厚木市では年間およそ750億円が行政に使われています。
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scene 06 歴史にドキリ★豆知識
日本の「税」に関する最も古い記録は、今からおよそ1800年前の『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』に書かれています。卑弥呼(ひみこ)が治めていた邪馬台国(やまたいこく)では、税を納めていたといわれています。納めていたのは、植物の種や織物だったと考えられています。
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scene 07 大切な税金を使うために
大切な税金は、市民の願いを実現するために使われなければなりません。そのために市では、聞き取り調査をしたり、アンケートをとったりして、市民の声を集めます。そして、予算や計画案を立てます。こうしてまとめられた案は、市民によって選挙で選ばれた議員が議論し、実行するかどうかを決定します。
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scene 08 ドキリ★税金は市民の願いを実現するために使われる
市民の声をもとに始まったさまざまな事業。新潟県上越(じょうえつ)市では、市が車と運転手などの費用を負担して移動販売(はんばい)を行っています。町から遠く買い物が不便な地域に、生活必需(ひつじゅ)品を届けます。横浜市には自宅の近くに子どもを預けられる施設(しせつ)がないという声が寄せられ、保育園を新たにつくりました。さらに、「保育コンシェルジュ」という保育専門の相談員を配置して、保護者の相談を受けています。わたしたちの税金は、市民の願いを実現する行政の仕事に使われています。
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scene 09 ユニークな行政の取り組み
ちょっとユニークな行政の取り組みもあります。東京都葛飾(かつしか)区役所には「すぐやる課」という課があります。スズメバチの駆除(くじょ)など、区民からの相談事にすばやく対応します。埼玉県鴻巣(こうのす)市役所では、市民のボランティアや観光協会と協力して『びっくりひな祭り』を毎年行っています。およそ380年もの歴史がある町の伝統工芸を守っているのです。沖縄県石垣(いしがき)市役所は、サンゴを食いあらすオニヒトデを駆除(くじょ)しています。沖縄のきれいな海を守ることにも行政は一役かっているのです。
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scene 10 みんなの町はみんなでつくる
みんなの町は、みんなでつくる。行政にまかせっきりにしないで、自分たちが納めた税金がどのように使われているのかを知ることも大切です。
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